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無菌状態に近い雪や氷を解かした水を使っている南極の浴槽にも、重い肺炎を引き起こすレジオネラ菌が繁殖していることが、日本の南極観測隊医療班の調査でわかった。
循環式浴槽など水が停滞する36度前後の環境で増殖しやすい。水をのんでも感染するわけではなく、この水中の菌が、シャワーや、湯気など空気中に浮遊する液体や固体の粒子(エアロゾル)となり、人体の肺に入り、感染する。抵抗力が弱い高齢者や乳幼児が感染すると、重い肺炎を発症して死亡する場合もある。水が貴重な南極では、浴槽はお湯をろ過して使う循環式を利用していたが、無菌状態に近い極寒南極でのレジオネラ菌の強い繁殖力がうかびあがった。 |
| レジオネラ菌の発見 |
| レジオネラ菌は1976年フィラデルフィアで在郷軍人会にて原因不明の肺炎が集団で発生し、221名中31名もの死者を出した。この原因調査で空調用の冷却塔水に菌が増殖し、より飛散したエアロゾルにより感染したことが判った。 |
| 特徴 |
2-5位umの好気性グラム陰性の桿菌で、主に沼や河川などの水の中や、土壌に存在している。 原生生物などの他の生物に寄生している。水中でも数年の生存が可能で、20〜50℃の水温で生育し、36℃前後が最も増殖に適した温度といわれている。ヒトの生活する環境においても、大量の水を溜めて利用する場所でレジオネラが繁殖する場合が知られている。空調設備に用いる循環水や入浴施設においてよく見られ、しばしばこれらの水を利用する際に発生する微小な水滴(エアロゾル)を介して人体の肺に侵入し、感染するが人から人へ感染することはない。
発祥場所としては、常時40度前後の温度を保っている、24時間風呂が群を抜いて多く、次に冷却塔(クーリングタワー)噴水などの修景水、給湯水の順になっている。 |
| 症状 |
高齢者、乳幼児、糖尿病患者、慢性呼吸器患者、免疫不全者などの抵抗力が低下している人や、健康な人でも疲労などで体力が落ちている人などが発病しやすいといわれている。
レジオネラ肺炎とポンティアック熱とに大別される。
@ レジオネラ肺炎は発熱、呼吸困難、筋肉痛、下痢などの症状が出て、発症は希でも急激に重症になる可能性あり。
Aポンティアック熱は発熱、悪寒、筋肉痛などの症状が出るが、一般に数日で自然に治癒できる。 |
| 対策 |
レジオネラに関する対策として以下のことが厚生省生活衛生局長より各都道府県及び政令市市長に通知しされた。
1.空調設備の冷却塔及び冷却水系については、「中央管理方式の空気調和設備等の維持管理及び清掃等に係る技術上の基準」(昭和57年厚生省告示第194号)、「中央管理方式の空気調和設備等の維持管理及び清掃等に係る技術上の基準(告示)に規定する別に定める基準について」(昭和58年環企第27号厚生省環境衛生局長通知)及び「建築物における衛生的環境の維持管理について」(昭和58年環企第28号厚生省環境衛生局長通知)(以下「告示等」という。)に基づき、冷却水の交換、消毒及び清掃を行う。
2.給水設備については、告示等に基づき、定期に給水設備の消毒及び清掃を行うとともに、外部からのレジオネラ属菌の侵入防止に努める。
3.給湯設備については、給湯温度の適正な管理及び給湯設備内における給湯水の滞留の防止に努め、定期に給湯設備の消毒及び清掃を行う。
4.循環式浴槽(特に生物浄化方式のもの)については、定期に換水、消毒及び清掃を行うとともに、浴槽水のシャワーへの使用や気泡ジェット等のエアロゾル発生器具の使用を避ける。
5.加湿装置については、当該設備に用いる水が水道法(昭和32年法律第177号)第4条に規定する水質基準に準ずるものとするとともに、定期に水抜き及び清掃を行う
6.装飾用噴水等その他の設備については、定期に当該設備の消毒及び清掃を行う。
※病院、老人保健施設、社会福祉施設等特定建築物以外の建築物についても、1.に準じて所有者、占有者その他の者で当該施設の維持管理の権原を有する者に対し、レジオネラ属菌に関する知識の普及、啓発に努めるとともに、維持管理に関する相談等に応じ、必要な指導等を行われたいこと。
※ 家庭で用いられる循環式浴槽(いわゆる24時間風呂)及び加湿器についても、1.に準じて住民一般に対し、レジオネラ属菌に関する知識の普及、啓発に努めるとともに、維持管理に関する相談等に応じ、必要な指導等を行われたいこと。 |
- レジオネラ属菌の感染因子の点数化
- レジオネラ属菌による感染については個体差、体調等を考慮すると、レジオネラ症を引き起こす危険のある菌数や感染を起こさない安全な菌数について明言することはできない。そのため、レジオネラ症予防のためには人工環境水中のレジオネラ属菌をできる限り少なくすることが重要である。
そこで、危険度を(1)エアロゾル化、(2)環境及び(3)宿主側の3つの要因に分けて、それぞれ点数化を行い、その合計点でもってその状況下における対応を示すこととした。(表1)
ただし、点数化はあくまでも目安であること、集団を対象とする場合には絶対的なスコア化は不可能であること、危険度に応じて細菌検査の回数を提案し、菌が陽性であった場合には必ず清掃・消毒を行い検出限界(10CFU/100ml)以下とすることを目標とするが、必ずしも年間を通じて検出限界値以下であることを求めたものではないこと等に留意し、施設の管理者が状況に応じて判断した上で対応することが求められる。
表1 感染因子の点数
| (1) エアロゾル化の要因 |
| 1) |
給湯水、浴槽水、修景用水など…………………………… |
1点 |
| 2) |
冷却塔水……………………………………………………… |
2点 |
| 3) |
加湿器、シャワー水、渦流浴浴水、打たせ湯等………… |
3点 |
| (2) 環境の要因 |
| 1) |
通常環境……………………………………………………… |
1点 |
| 2) |
人口密度が高い場所、………………………………………
エアロゾルが集中的に流れ込みやすい場所等 |
2点 |
| 3) |
閉鎖環境、設備の陳旧化等………………………………… |
3点 |
| 4) |
加湿器を利用………………………………………………… |
4点 |
| (3) 宿主側の要因 |
| 1) |
健常人………………………………………………………… |
1点 |
| 2) |
喫煙者、呼吸器疾患患者等………………………………… |
2点 |
| 3) |
高齢者、新生児、乳児等…………………………………… |
3点 |
| 4) |
臓器移植患者、白血球減少患者、免疫不全患者等……… |
4点 |
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- 2)感染危険因子の点数化(スコア)と対応
- この点数化の具体的な例を参考までに表2に、この点数化に応じたレジオネラの検査回数を表3に示す。
表2 感染危険因子の具体的な点数化の例
| スコア |
病院 |
老人施設 |
特定建築物 |
営業用 |
| 給湯水 |
4〜6 |
4〜5 |
3〜4 |
− |
| 冷却塔水 |
5〜8 |
5〜7 |
3〜5 |
− |
| 修景用水 |
5〜8 |
5〜7 |
3〜5 |
− |
| 渦流浴・温泉 |
6〜9 |
6〜8 |
3〜5 |
5〜8 |
| 加湿器水 |
7〜11 |
7〜9 |
6〜8 |
− |
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表3 感染危険因子の具体的な点数化の例
| スコア |
細菌検査の回数 |
| 3点以下 |
常に維持管理に心がけ、必要に応じて細菌検査を実施 |
| 4〜5点 |
1年以内に1回以上、設備の稼働初期に細菌検査を実施 |
| 6〜7点 |
1年以内に2回以上、設備の稼働初期及び稼働期間中に細菌検査を定期的に実施 |
| 8点以上 |
1年以内に3回以上、設備の稼働初期及び稼働期間中に細菌検査を定期的に実施 |
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また、検査の結果レジオネラ属菌が検出された場合の対応は以下のとおりである。
- 1) 人が直接吸引する可能性のない場合
- 102CFU/100ml(CFU:Colony Forming
Unit)以上のレジオネラ属菌が検出された場合、直ちに清掃・消毒等の対策を講じる。
また、対策実施後は検出菌数が検出限界(10CFU/100ml未満)以下であることを確認する。
- 2) 浴槽水、シャワー水等を人が直接吸引するおそれがある場合
- レジオネラ属菌数の目標値を10CFU/100ml未満とし、レジオネラ属菌が検出された場合、直ちに清掃・消毒等の対策を講じる。
また、対策実施後は検出菌数が検出限界以下であることを確認する。
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| 給水設備管理は定期的に! 人体に入ったレジオネラ 冷却水飛散状況 |
| エコアではレジオネラ及び他の細菌の調査、定期検査及び消毒を行っております。 |