2006年は主に建築物におの事故が多発していました。しかし、残念ながら2007年に入り、食品メーカーの事故が多数マスコミに取り上げられ、大変大きな問題となっています。発表されている問題点の中には「食品衛生法」に問題があるということだけでなく、企業倫理が遵守されていないという社会的責務についても強く追求されました。専門家の目でみると、あきらかにマネジメントシステムができていないという一言につきます。これは日常の業務全体にしてもそうですし、事件発生後の対応やプレス発表を見ても言えることです。
パートやアルバイトのミス等も管理者や責任者の問題として取り上げるのが基本です。結局は責任を逆に追及されていくと経営陣にまでいくのが食品事故なので、食品関連のすべての企業は、いままで発生している事件や事故の内容や対応を事前に勉強しておくこともリスクマネジメントの一つです。
また、食中毒事故を経験している組織は少ないでしょうが、髪の毛が混入していることや微生物による劣化などのクレームは経験があると思います。特に現物入手と外部機関での検査は原因追跡をするのに有効であり、クレーム相手や消費者も透明性を感じます。
クレームの対応
@丁寧A誠実B話を聞くC現物入手D返品以上の金銭要求は応じない
E外部機関で分析F原因追跡G今後の対応
・回収の判断について
食品事故が発生して、マスコミが騒ぐと回収が必要な風潮がありますが、回収には莫大なコストがかかるので、本当に必要かどうか見極める必要があります。
パフォーマンスとして回収をおこなうのであれば、危害の問題より宣伝効果が高いということで回収に踏み切る企業もあるようです。それでは本当に回収が必要な時を判断するにはどうすれば良いでしょうか?まず第一に人体被害が発生又は予測された場合です。第二に違法な商品が流通した場合または予測される場合です。この二点は有無を言わず回収しなければ被害が大きくなり解決が困難になるので回収の即決が必要です。しかし、事件が発生してからでは企業全体がパニック状態になり即決は難しいので、日常的なクレーム対応手順とは別に回収の定義と回収発動の条件は決めておくことが重要です。
・契約書の重要性
日本では契約書を取り交わさず商行為をおこなうことが多い国だといえます。これは単一民族の信頼感とか、人を信用することの美徳などの関係があるのかもしれませんが、誤解の原因になるだけではなく、事故が発生した際に中小企業で破産までの損害賠償を被る可能性があります。
多くの商品を販売する際にサンプル品だけで顧客より了承され、受注が決定した場合に「仕様書」「商品規格」など全くなにもないわけですから、異物一つ入っていても契約違反として取り上げられる可能性があります。通常は「契約がないのだから契約違反はないだろう」と思われるでしょうが、相手にも主張があり当方にも主張があった場合には当然最終的には裁判という話になります。裁判というのはお互いの主張全部に対して0対100で決着がつくわけではありません。ということはサンプルを出して、初回ロットの注文をもらい異物が一つ入っているだけで取引がなくなるだけではなく、状況に応じて回収費用や膨大な時間を費やさなくてはなりません。更に、その異物によって最終消費者がケガや病気なった場合はPL法という法律が適用になります。起訴は一般的にお金がとれるところを指しておこないますが、フードチェーンの中で商品提供により利益をあげた組織は対象となる可能性はあります。
重要なのは事故が発生する前に、顧客との契約書を取り交わし双方納得の上で取引をおこなうことです。また、異物が入っていますとは記載できませんので、金属探知機テストピースFe1で全品検査をしていることや、ストレーナーメッシュ1mmなどの検査レベルを明確に伝えることで、測定できない異物レベルを顧客に理解していただくことにより、被害を最小源に抑えることが可能となります。
・マネジメントシステムの力
実際に発生している事故内容をみていると、あらゆる工程や業務の弱点を取り上げられていますが、ISO22000食品安全マネジメントシステムのように食品安全に特化したマネジメントシステムを導入することにより、食品衛生に関する必須管理事項を網羅することが可能です。またこれらの事故にはISO9001では要求事項として具体的な衛生活動に対する条項が少ないため、ISO22000の方が効果的に食品安全を管理することが可能となります。更にISO22000の導入を決定した場合には、依頼する審査登録機関が食品事故の原因と解決をよく理解している機関を選定しなければ、工業規格のISO9001と同じレベルになることもあるので注意が必要です。
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