エコア株式会社
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兼ねてから地球温暖化が叫ばれていますが、2007年を迎え、いよいよ世界各国で気象異常、生物絶滅の危機、また気象異常による生物の移動が目に見えて多発、頻繁化してきました。

フジテレビニュースジャパンでは1月8日地球温暖化特番の中で、「2006年には米国東部で記録的な大雪、オーストラリアでは100年に一度の大干ばつ、北海道での竜巻など異常気象が続いている。温暖化による地球気候のゆらぎが大きくなり、予測を超える規模の気象現象を引き起こす可能性が指摘されている。プラス1.5度がポイントオブノーリターンで、このままいくと2016年に達すると言われる。」と放映していました。

また、地球温暖化をテーマとした映画「不都合な真実」の宣伝の為来日したアル・ゴア元米国副大統領は各メディアで地球温暖化の深刻さを語り、環境対策の必然性について日本のリーダーシップに期待をしていると語っています。

また、1月17日、核戦争の危機を警告するため地球滅亡までの残り時間を象徴的に表した「終末時計」の針が北朝鮮とイランの核問題の深刻化及び、1947年の創設以来初めて地球温暖化の危険性に触れ、「30〜40年先に甚大な被害をもたらす恐れがある」と指摘したことを受けて2分進められ、「残り5分」となった。時計を管理する米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」がワシントンとロンドンで同時に発表しました。

以下は地球温暖化についての現状、予測結果、取組について環境省より掲示されている項目です。

1.日本において検出された地球温暖化と考えられる影響の現状

(1) 気候の変化

[1] 気温の変化
 20世紀の100年間(1901〜2000年)で、日本の平均気温は約1 ℃上昇した。特に都市部ではヒートアイランドの影響も追加され、東京では約2.9 ℃上昇した。また、真夏日、熱帯夜の日数も都市部を中心に増加、真冬日の日数は減少した。
[2] 降水量の変化
ばらつきがあるが、時間降水量50 mmを超える大雨の発現回数はやや増加傾向にある。降雪量は一部の地域において減少している。
[3] 海水位の変化
 1970〜2003年において、日本沿岸では年間2 mm程度海面水位が上昇している。

(2)身近な自然への影響

[1] 高山植物
  • 北海道アポイ岳では、キタゴヨウの生育高度の上昇に伴い、ヒダカソウなどの高山植物が減少し、ハイマツ等が拡大した。
  • 中部山岳ではハイマツの枝先が枯れる現象が確認され、温暖化による積雪深の減少で、雪の保護効果が小さくなっていることが要因の一つと考えられている。
[2] 植物の開花時期
  • ソメイヨシノ(サクラ)の1989〜2000年の平均開花日は平年(1971〜2000年)より3.2日早くなった(全国89地点)。
  • イロハカエデの紅葉日が1953〜2000年に約2週間遅くなった。
[3] 昆虫の生息域
  • 1940年代には九州や四国何部が北限であったナガサキアゲハが1980年代から和歌山県、兵庫県など、2000年以降は関東地方でも確認された。
  • 亜熱帯から熱帯に生息する南方系のクマゼミが、2001年には東日本でも確認された。
  • 熱帯性のスズミグモは1970年代までは西日本で確認されていたが、1980年代には関東地方でも確認されるようになった。
[4] 動物の生息域
  • 近年、マガンの飛来時期が遅くなり、旅立ち時期が早くなった。越冬地が本州のみならず北海道にも拡大した。個体数も増加傾向にある。
  • キツネ、テンなどが白山の標高2000 m以上での生息が確認された。
[5] 海洋動植物への影響
  • ウミガメの産卵・ふ化場が北上し、屋久島が北限の種であるアオウミガメは、宮崎県、鹿児島県で産卵・ふ化が確認された。
  • 南方系のタコ、カニ、魚類などが北上した。
  • 沖縄県本部町の近海などでサンゴの白化現象が発生した。また、エンタクミドリイシ(テーブルサンゴの一種、熱帯)は生息域を北方へ拡大し、天草で確認された。

(3)市民生活への影響

[1] 水害被害
  • 局所的に、記録的な豪雨による浸水被害が最近多発している。水害による浸水面積(水害面積)は減少傾向だが、水害密度(浸水面積あたりの一般資産被害額)は増加する傾向にある。
[2] 都市環境、水環境
  • 熱帯夜が増加した。
  • 琵琶湖の湖底水温の上昇、溶存酸素濃度が低下傾向にある。
[3] 産業
  • 気温の上昇により民生・業務部門における冷暖房需要の変化、季節型産業の盛衰に伴う産業部門におけるエネルギー需要に影響を与える。
[4] 健康
  • 東京の場合、日最高気温が30℃を超すと、熱中症患者が増加しはじめ、35℃を超えると急激に増加する傾向にある。
  • 気温1℃の上昇により、病原性大腸菌出血性腸炎発症(EHEC,食中毒を引き起こす)の発症リスクが4.6%上昇することが推定された。














2.日本における地球温暖化影響の予測結果

 国レベル、地方レベルにおける地球温暖化影響将来予測については、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)においても知見が不足しているが、現在、関連の調査研究が精力的に進められている。今回は、最近明らかとなった日本独自の地球温暖化影響の予測結果について、以下のとおり紹介する。

(1) 気候の予測

 地球シミュレータによる最新の地球温暖化予測計算の結果によれば、経済重視で国際化が進むと仮定したシナリオ(2100年の二酸化炭素濃度が720 ppm)の下、1971〜2000年と比較した場合の2071年〜2100年の平均的な日本の気候について、以下のとおり予測される(沖縄等の南西諸島は計算の対象外)。

  • 地球の平均気温は4.0 ℃上昇。
  • 日本の夏(6〜8月)の日平均気温は4.2 ℃、日最高気温は4.4 ℃上昇、降水量は19 %増加。
  • 真夏日の日数は平均で約70日程度増加。また、100 mm以上の豪雨日数も平均的に増加。

(2) 生態系(動植物)の影響予測

 今後の地球温暖化の進行により、動植物等の生態系の影響の範囲、程度がともに大きくなると予測されている。

  • 北海道アポイ岳のヒダカソウは、ハイマツやキタゴヨウの生息高度の上昇により、早ければ30年後に消滅すると予測。
  • 3.6 ℃の気温上昇によって、ブナ林の生息域が大幅に減少すると予測。

(3) 市民生活への影響予測

 今後の地球温暖化の進行により(一部は都市化の影響も加わり)、熱中症患者の増加、大気汚染や水質汚染等他の環境問題への影響、スキー産業等への影響の拡大、深刻化が予測されている。具体例は以下のとおり。

  • 1 ℃の気温上昇によって、霞ヶ浦ではCOD(化学的酸素要求量)が0.8〜2.0 mg/l上昇すると予測されている。
  • 3 ℃の気温上昇によって、スキー客が30%減少すると予測されている。
  • 気温上昇により、民生・業務部門における冷暖房需要の変化、季節型産業の盛衰に伴う産業部門におけるエネルギー需要への影響が予測されている。

3.地球温暖化影響の軽減のための取組

 以上のとおり、今後、地球温暖化がさらに進行すると、地球温暖化に伴う悪影響の範囲の拡大や、頻度、強度が増大し、さらに多くの動植物や生態系に影響が現れると予想されている。地球温暖化影響を軽減するため、以下の取組を強化する必要がある。

(1)地球温暖化影響のモニタリング

 地球温暖化に対して最も脆弱な自然生態系、雪氷域等の監視を行い、その結果を国内外に広く伝える必要がある。このため、日本国内を含めた地球温暖化影響モニタリングの推進体制を確立することが急務である。

(2)緩和策(Mitigation)の強化

 気候変動枠組条約の究極の目的である大気中の温室効果ガス濃度安定化のためには、今後、100年以上にわたり国内外の温室効果ガスの総排出量を大幅に削減する必要がある。京都議定書は、2008年から2012年の間に1990年のレベルと比較して先進国の温室効果ガスの排出量を約5 %削減することを目指しているが、この目標は長期の地球温暖化対策の重要な一歩である。

(3)適応策(Adaptation)の検討

 地球温暖化の悪影響は、温室効果ガスの削減策を強化するだけでは十分に避けることが出来ない。温暖化しつつある気候に、人や社会・経済を調整して影響を軽減するための「適応策(adaptation)」が必要となる。
 地球温暖化影響に対して、受動的かつ事後的な対応を取り続ければ、生態学的、社会的、経済的なリスクは大きくなり、結果的に致命的な被害が発生し、被害の修復に多大な費用が必要となる。逆に、地球温暖化の影響について適切な予測を行い、予見的かつ計画的な適応策を立案、実施すれば、各部門の地球温暖化に関する脆弱性を事前に改善し、結果として、短期的にも長期的にも、社会に利益をもたらする場合もあり得る。