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国内フードディフェンス(食品防御)の構築

2014年6月19日

フードディフェンス概要

国際的な見解では食品安全の対象としてフードディフェンスやフードテロは含まれることになるが、日本国内においては、「海外では必要だろうが、国内で必要だろうか…」という風潮が強かったように思われる。古くはグリコ森永事件などの記憶はあるが、どちらかといえば食品衛生や品質管理という部分に特化して成長してきた食品産業といえる。フードテロ対策は大手流通会社の監査や外資系企業との取引において要求されるので、自発的ではなく仕方なくカメラの取り付けなどを説明している企業が大部分であった。しかし、2013年から1014年に群馬県の冷凍食品会社にて社会を震撼させるようなフードテロ事件が発生した。この事件は在職中の契約社員が意図的に工場内にて農薬のマラチオンを混入させるという異常な事件であったが、日本国内で日本人が日本の企業に対しておこなったものであり、国内においてもフードディフェンスの必要性を考慮する時代を知らしめるに至った。
FSSC22000を導入するとISO22002-1(18)食品防御、バイオビジランス、バイオテロリズムの要求事項があり、国際的にはフードディフェンスは食品安全の一部として考えるべきものとなっている。国内では品質管理の歴史と文化は目覚ましいものがある一方で、フードディフェンスに関しては明らかに社会周知度も専門家による研究も少ないのが事実である。フードディフェンスとは総称であり、あらゆる攻撃に対して備えるというものであり、防御全般について構築しなければならない。この防御には意図的か非意図的かは関係なく、非意図的な攻撃もありえることになる。

フードディフェンスにおける食品攻撃想定マップ

攻撃 意図的 内部 直接汚染 製品
包装
取扱い
手抜き 製品
包装
取扱い
外部 直接汚染 製品
包装
取扱い
非意図的 内部 無知 製品
包装
取扱い
行動不適 製品
包装
取扱い
外部 無知 製品
包装
取扱い
行動不適 製品
包装
取扱い

食品への攻撃において一般的にイメージしているのが、外部による直接攻撃となっており、忘れやすいのが外部による無知からの食品攻撃や非意図的な攻撃などが欠落しているケースが多いので、必ず食品攻撃想定マップを活用して全方位対応型のフードディフェンスを構築したい。この食品攻撃マップから想定していくと従業員の手抜きや不満による腹いせなども想定しやすくなる。フードディフェンスを構築する際には、「どんなカメラをつけようか…」や「白衣は何を着ればいいのだろう…」など個別の導入装備から検討していることが多いようだが、これはフードディフェンスの構築には遠回りになるので、自社商品に対する攻撃を明確にするところから始めたい。これは食品への想定する攻撃は業種や製品が同じであっても、組織人員、管理体制、工場設備、建物レイアウトなどによって異なってくるので、食品攻撃想定マップから攻撃分析を行う必要がある。

フードディフェンス構築フロー

1.フードディフェンス対象の攻撃列挙
2.攻撃シュチュエーションの想定
3.攻撃に対する防御策の策定
4.防御策の必要性判定
5.防御策を導入した後の検証
6.定期的な攻撃の更新

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