2013年6月12日
2011年東日本大震災に震災被害に遭われた「マルセ秋山商店」様より食品工場復旧施工のご依頼を受けたのは5月21日。「東日本大震災で被災したため、本社工場(水産工場)を新築したい。」とのご依頼を受け、当社役員がすぐに現地に向かいました。
現地では建物は流されてはいないものの、工事が大きな被害を受けご相談を頂きました。エコアでは、新工場は最新の耐震基準と衛生基準を達成するべく設計されたもので、HACCPの取得を意識した仕様としてご提案しました。
この工場では、建物は流されなかったものの、床に大きな亀裂が入り、一階が浸水した為、工場設備全て使用できない状況でした。「工場を復興させたい」と願う企業オーナー様のご依頼で、エコア役員、施工担当者らが被災直後に緊急対応をおこない、復興作業の段取りを立てました。大震災により実際の損害や不安は大きいが、止まっている事などできない、前に進む為にはこの工場を更に成果の出る工場へと建て直したいという熱い思いを受け、企業新築工事建設が始まりました。
大きな亀裂が入り分厚いコンクリートが割れて床下が見えていました。 |
1階コンクリート部分は地震の影響で亀裂が入り、製造機器や器具等は津波により浸水した為使用できない状況でした。このあたりの地域では、建物は建っているが、床、壁、柱等に亀裂が入ったり、浸水した影響により倒壊寸前の建物が多くありました。建物の損傷具合で、保険や助成金等の金額が大きく変わり、大きな被害に会っているにもかかわらず、早急な資金が援助してもらえないなどで手が打てない企業、工場等が多くあるようでした。
施工時は復興への気持ちを込め「いざ!!復興」の立て看板を掲げました。 |
石巻市では、全企業の約67%(約1800社)が津波の被害に遭い、多くの社屋が水没しましたが、国からの助成金も震災直後は予算があり、その予算がなくなり次第締め切りとなったり、数社集まった組合が認定されなければ出来ないなどの様々な条件があったりと、なかなか前に進めない状況も確認されており、クライアントを含む我々プロジェクトチームも不安がよぎります。
エコアではコンサルティングノウハウを活かし再構築案を多数検討し、社会背景、市場、企業、事業などの分析からクライアントとより優れた現状復帰となるプロジェクト案を完成させ、プロジェクトのスタートをきりました。また、今後のグローバル化に向けた衛生基準の向上の為、HACCP:国際食品規格委員会CODEXガイドライン準拠により衛生レベルの向上と同時により優れた製造の動線を確保した様々な配慮を施した施工を行いました。
製造商品分け用スリットカーテン | 工場裏排水排出場 |
区域別の床色分け | LED使用によりエネルギー削減 |
モニタリング調査害虫捕獲器、本社5台・浜工場2台導入 | 床ステンレス製R型状巾木取付、扉カバー上部斜めカット |
清掃しやすいような衛生面に配慮対応した設計 | 衛生レベルの高い素材を |
表面は錆にくいステンレス304使用 |
津波対策として屋上タラップ設置 | |
マルセ秋山商店 本社工場
・床面積:約273u(敷面積 約849u)
・牡蠣の加工工場
・着工:2012年5月7日
・竣工:2012年9月11日