1923年の関東大震災の教訓と台風への心構えの意味も含めて1960年に9月1日は防災の日と制定されました。 行政では大震災後の教訓から高速道路の補強強化や、ビル・建物等の耐震調査が行われています。しかし、一般家庭での調査等は各個人での責任となります。2000年6月からの建築基準法改正前に建てられている住宅は建物接合部の金具のとりつけがされていないものが多く、崩壊につながる可能性が高くなります。各家庭での地震や火事などの天災に供え、非常用水や非常用食料、非常用トイレ、備品等常備することに加え、建物の調査も行うことをお勧めします。
ヒビの入ったコンクリート土台の修復作業
耐震研究では二階建ての一軒家を震度7の揺れを4回耐えました。
補強された木造住宅は接合部の強化で建物をしならせ、土台の引き抜きを防ぐ柱は1階2階の接合部により「く」の字型に揺れ倒壊を回避します。
家のバランスは東西南北が違う、リビング、台所、トイレ、風呂場、玄関等の間取りのため、壁のバランスが全く違います。剛芯がずれてねじれ現象を起こし倒壊原因につながります。剛芯を住宅の中心にもっていく為には、まず壁のバランスを均等にします。例えばトイレ風呂場のある面はリビングの面より壁量が多くなるので強い。その場合リビングの壁を増やすと均等になります。
古い住宅はおもに土台が湿気などで腐り、倒壊につながったものもあります。住宅密集地や、床下の通気が悪い家(全体の8割程度)は五年後は土台の部分は腐食しています。腐った湿気の部分にシロアリが発生し、さらに状況は悪化します。
シロアリの被害にあった木部の修復施工
地盤がよい場合でも柱には上向きの力が入るので鉄筋をいれます。つじかい等の影響で引き抜きがきたら倒壊の恐れがあります。
屋根が重い、瓦をコンクリでかためている、これも倒壊原因につながることがあります。瓦自体は日本の風土にあった文化的なものですが、屋根が重ければ重いなりの土台の丈夫さが必要となり家全体のバランスが大切です。
・壁の量をチェック ・図面、現状調査 |
・歪みを観測 ・建築物の歪みを測定 |
・コンクリート中性化調査 ・鉄筋腐食調査 |
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